日本とは少し違う、アメリカでの非接触IC型決済サービスの普及状況
SuicaやPasmo、そしてスマートフォンによる電子決済に代表される、非接触IC型決済サービスが急速に普及してきています。特に、国内で半数の市場シェアを占めるiPhoneが昨年秋にSuica対応(Apple Pay対応)したこともあり、利用者が増えています。
近所のコンビニ、スーパーへ、ドラッグストアの買い出しには、現金もクレジットカードも持たず、iPhoneだけを持っていくという話も良く聞きます。東京都内での生活に限って言えば、電車やバスでの移動、買い物、食事など、ほぼ丸1日を、スマホの電子決済で済ますことができます。
この最大のメリットは現金を持ち歩かずに済むことなのですが、それに加えて、レジでの面倒な現金支払やクレジットカードのサインの手間から解放される簡便さにありがたみを感じます。
このため、最近では、現金やクレジットカードしか対応していない店を避けて、Apple Pay対応店だけに好んで行くようにすらなっています。ただ、まだ大手チェーン店を中心に対応店の数は増えていますが、地方での普及はこれからのようです。
さて、こうした非接触IC型決済サービスですが、国によってその様相が異なります。
アメリカでは、早くからクレジットカード決済が普及していたため、決済端末が大半の店舗に置かれています。日本とは違い、自分でクレジットカードを決済端末に挿入してサインや暗証番号を入れて決済するDYI方式が主流です。
最近の端末にはクレジットカードに埋め込まれているICチップによる非接触IC型決済サービスに対応するようになっていて、その多くはApple Pay対応になっていて、iPhoneをかざして決済することができます。そして、非対応の旧型の端末がネットで大量に放出されていて、検索すると中古品が一台2000円前後で販売されています。
非接触IC型決済サービスに対応端末は、屋外での使用に適していると言えます。
自動車メーカーのFordが米国内で展開しているバイクシェア事業「GoBike」でも、非接触IC型決済サービスが採用されています。
駐車場に設置されているこの電気自動車へのチャージ端末は、非接触IC型決済サービスのみ対応です。
屋外決済端末の代表例は、パーキングメーターですが、現金(コイン)とクレジットカードの対応が可能です。非接触IC型決済の端末は、これから普及が進むでしょう。
一方、日本ですが、最新式のパーキングメーターもクレジットカード非対応で、現金、しかも100円玉のみの対応です。これでは不便です。
さて、お隣の中国では、非接触IC型決済サービスではなくて、QRコードを採用したスマートフォンによる電子決済が急速に普及しています。こちらの話題は、本題からそれてしまいますので、いずれの機会にいたします。