2018.07.17

スマートフォンが社員証になる時代が来るかも

今年も6月にAppleの開発者向けのイベントWWDCがシリコンバレーで開催されました。

このイベントは毎年一回開催され、Appleが提供するOSの最新情報や、最新のハードウェアなどの情報が発表される貴重な機会として、世界中から開発者やメディアが集まってきます。

iPhoneの爆発的な普及によって、今やAppleは株価時価総額世界最大の企業となりました。
iPhoneは日本でのシェアが約5割、若い世代に限っては7割ほどにも達するという状況の中、この企業が何を今後提供しようと考えているのかは、日本人の生活にも大きな影響を与えます。

例えば、2016年秋にAppleはJR東日本のSuicaに対応しました。
それからもう1年半以上が経ちますが、日々多数の人がiPhoneでSuica決済をするようになりました。
そしてiPhoneによるSuica決済は、世界でもApple最大規模のe-Commerse事例として認知される規模になっています。

この、Suica決済は、iPhone7以降に実装されているNFC(Near Field Communication)チップが活用されています。NFCはSuica決済に限らず、入退室管理など様々な用途での利用が期待されています。例えば、今年のWWDCでは、今年は会場への入場時の本人確認を、NFCを利用し、Face IDまたはTouch IDで行いました。

AppleはこれまでNFCのiOSからのアクセス仕様を限定的にしか公開していませんが、今年のWWDCでいよいよ外部開放するのでは、という情報(期待)が事前に流れ、その真偽が注目されていました。

ところが、NFCへのiOSからのアクセスは開放されず、期待外れに終わったのですが、それでも将来の開放を期待させるような発表を行っています。

それは、iOS12(今年の秋にリリース予定)で、アメリカ国内の一部の大学で、大学生の学生証および大学構内での購買の用途で、iPhoneおよびApple Watchが利用できるようになる、というものです。

学生にとって、iPhoneあるいはApple Watchさえあれば、大学内での大半の行動ができてしまうというのは大きなメリットです。このメリットは、大学生に限らず、会社員も同様です。出退勤、入退室、社内での購買のための専用のカードを持つ必要がなくなります。

ユーザー体験を重視する企業文化のAppleですから、大学でのフィードバックを見た上で、少しずつNFCの開放を進めていくものと思われます。数年経つと、スマホでピッとやるとタイムカード打刻ができる、ということが当たり前になるかもしれません。

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