第六回「シリコンバレーの住宅価格」
こんにちは。トーマスワンです。
シリコンバレーには株価時価総額世界一のAppleを筆頭に、GoogleやFacebookが本社を構え、マイクロソフトやAmazonなどの著名企業がオフィスを構えています。どの企業も優秀な人材を採用することに躍起です。競って良い待遇を提示します。また、成功を夢見る多数の起業家います。彼らを支援する投資家達がいます。要するに、世界中から人材とマネーを集めています。
このことは、シリコンバレーの生活費に大きく影響を与えています。とりわけ住宅費の上昇は顕著で、報道によると、10年弱で倍以上に上がったそうです。日本が20年以上不動産価格が低迷していたのとは全く違います。
今や、中古の戸建て住宅の価格は2ミリオンドル(2億2千万円)は当たり前ですし、家賃も、2ベッドルームのアパートメントが月額3000ドル(33万円)以上します。
Zillowという不動産紹介サイトなどで日本からも簡単に検索ができます。
例)Google本社が位置するマウンテンビューにある2ベッドルームの賃貸物件
クルマ社会のシリコンバレーは、郊外型の住宅地が延々と広がっています。日本のような「市街地」「駅前」はありません。不動産価格も「駅徒歩何分」という利便性を意味する指標は意味がありません。その代わり、住環境が意味を持ちます。とりわけ教育環境で評判の良い学区の住宅は人気が集まり、価格は高くなります。
シリコンバレーは総じて治安の良いエリアですが、場所によっては貧困層も多い地域もあり、そうした場所での住宅価格はそれなりに手頃になっています。しかし、最近掲載されたこちらの記事を読むと、その地域すら住宅価格が高騰してすむことが不可能になってしまった人々が描かれています。
住宅価格の高騰によって、今や大手IT企業の社員ですら、オフィス近くに住居を確保することはままなりません。1時間以上かかる長時間通勤も珍しくありません。片道5車線以上のハイウェイがクルマで埋まって渋滞している様は、壮観でもありますが、深刻な問題になっています。
シリコンバレー在住の知人に言わせると、「それでもこの素晴らしい天候だからこそ払う価値がある」そうです。確かに、夏は毎日晴れて爽やかで、冬でも厳しい冷え込みが全く無いのですから!
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