第十回「香港の常識-勤務中のアフタヌーンティー文化」
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オリンピック TOKYO 2020は1年の延期期間を経て、7月23日の開会式から始まり、
9月5日には無事にパラリンピックも終わりました。すべての皆様、楽しい時間をありがとうございました!
そして、いよいよこれからは、”次は誰かがやるんじゃない、次は自分の番だ!” になりました。
そういう気持ちでこれからもAPPSPASSサービスを運営できればと思っています。
今回も、前回に引き続き、APPS PASS BLOGは海外の働き方のご紹介です!
このオリンピック期間中は中国・台湾・香港の方にご登場いただき、勤怠や打刻のお話を伺っています。
前々回は中国上海のチンさんのコラム「中国から日本へ転職した私から見た日本企業と中国企業の勤怠や打刻の違い」を、また前回は台湾の洪さんのコラム「勤怠から見える台湾と日本それぞれの国民性」ご紹介しましたが、ラストは香港のクウオーさんからのご紹介です!
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はじめまして!語学力ゼロで日本に留学し、その後大手旅行会社を経て現在スタートアップ企業に転職した香港出身のクウオーと申します。
日本で生活を始めてから早くも14年経ちました。本日は私が経験した香港の職場についてお話ししたいと思います。
日本企業でタイムカードのアナログな記録方法にびっくり!
初めて日本の会社に就職した時のことですが、出勤初日、タイムカードの打刻方法を教わったことを今でも鮮明に覚えています。
その時、勤怠記録を手書きで記入し、終業時上司に承認してもらうというなんともアナログな方法に驚きました。
時を遡ると、香港で就職したのは15年前です。当時では珍しいと言われていたIC化が進んでいて、出社から退社まで、全てICカードで一括管理されていました。
毎日始業時間が近づくと、カードリーダーの前にできた長蛇の列が見慣れた光景でした。
そういえば、待ち時間中、遅刻扱いされた同僚の愚痴を1時間ずっと聞かされた事がありました。懐かしい!
3点3のティータイムは打刻不要
話は変わりますが、香港のアフタヌーンティー文化はご存知ですか?
合言葉『3点3』(広東語では午後3時15分の意味)のティータイム文化はイギリスの植民地時代から受け継がれて、すでに香港市民にとって、なくてはならない習慣に変化しています。
日本で言えば「3時のおやつ」。
この習慣は、実は仕事中にも導入されています。正確に言うと暗黙のルールといった方が適切かもしれません。
理由は、会社の規則には許可または禁止事項として明文化されていないうえ、上司の許可も必要ないからです。
勤務時間内で業務に支障がない範囲であれば自由にとって大丈夫。おやつの買い出しに行く日もあれば、出前という手段もあります。どちらも打刻不要で、常識の範囲内というのが共通ルールです。
ちなみに私が働いていた会社には大きなフリースペースと飲み放題の無料ドリンクがあり、午後3時過ぎると、みんな集まってお喋りしながらお茶をして、また仕事に戻るのが流れでした。
勤務中、おやつさえ控える日本人からしてみればありえないと思われるでしょうけれど、我々香港人にとってはワークライフバランスを保つための重要な手段とも言えるでしょう。
香港のティータイムは大事なコミュニケーションの機会
以上は、あくまでも私が経験した会社の話ですので香港の会社が概ね同じとは言えません。
しかしティータイムは仕事の合間に体を休ませるだけでなく、飲み会文化がない香港ならではの大事なコミュニケーションの機会でもあります。
何時間も拘束される飲み会より、たった15分で終わるティータイムを取り入れることによって、自分自身にも、会社にもいい影響が出てくるかもしれません。